HUMAN MADE / CASE 04
『鬼滅夜話』装丁
著者の作品への深い愛と本の厚みを、柱の彩、大正の空気、紙面を開く遊びへ。

CLIENT株式会社扶桑社
FIELDBOOK / EDITORIAL DESIGN
YEAR2021
DELIVERABLES装丁 / カバーデザイン / 表面加工設計
制作概要
植朗子氏による『鬼滅夜話 キャラクター論で読み解く「鬼滅の刃」』の装丁を担当しました。民間伝承・比較民俗学の視点から、作品に登場する31のキャラクターを読み解く一冊です。
ウェブ連載をもとに、新たなキャラクターの論考を加えて書籍化された全352ページ。作品の背景をより深く知りたい読者へ、研究の視点と著者のまなざしを届けます。

向き合ったテーマ
本の厚みと、著者である植先生の作品への深い愛情を受け止め、ビジュアルを軽い印象に寄せないこと。キャラクターを扱う華やかさを持ちながら、論考としての読み応えと重みをどう共存させるかを考えました。
目指したのは、物語の時代背景にも通じる大正らしさを感じられる佇まいです。店頭で目を引くだけでなく、読み進めるほど内容の密度と響き合う装丁を設計しました。
柱の彩と、質感のコントラスト
黒を基調に、柱たちを想起させる色彩と文様を細長い区画の中へ構成。多彩な登場人物を扱う内容の広がりと『鬼滅の刃』らしさを表しながら、中央の白い明朝体の題字によって、書名の強さと読み物としての格を立たせています。
表紙本体はマットPPで上品に仕上げ、帯にはグロスPPを採用しました。落ち着いた本体と光沢のある帯に質感の差をつくり、重厚さの中にも店頭で伝わるメリハリを与えています。

開いてから始まる読書体験
表紙を開いた内側には、読者が実際に遊べる「あみだくじ」を忍ばせました。眺めて終わる装飾ではなく、本を手に取った人の参加によって完成する仕掛けです。
扉には時間軸を設け、夜の読書時間をじっくり楽しんでもらいたいという思いを込めました。外側の重みと大正の空気から、内側の遊び、そして本文を読み進める時間まで、一冊を通した体験として設計しています。
