定理のつくりかた

数学好きでない人にこそ読んでほしい、美しい証明に役立つ一冊

これを手に取ったのは仕事がきっかけでした。私自身が報告を重ねる中で「最適な報告様式を知らないのでは」と疑問に感じたことがきっかけでした。
通常、業務で報告というのは「日常にありふれた少し面倒な他者への共有の儀式」のようにも思えますが、そういった苦手の場を「どのようにすれば幸福な時間へと変えられるか」といった視点から、この本にたどり着いたのです。報告には証明が必要で、それは矛盾のない、気持ちの良いものであることが理想だと思うのです(結果の良し悪しではなく説明が論理的であるという意味です)。

いわゆるビジネス本としてのノウハウでは具体的すぎて、状況や対人との関係性においての変数をそれでは捉えきれない気がしました。私は、すでに正しく辿り着けば行き着く正解の報告ではなく、気づきや今後に役立つ価値の報告に使える様式を知りたかったのです。

この本を読んで、論理による証明とは「他者が正しさを検討できるように答えを書くこと・他者と分かち合い、共感と同意により喜びを共有できるためにあること」を知りました。

より良い報告(証明)をするために、どのようにテーマを立て、どのようにプロセスを踏み、どのような説明をすれば良いのかが少し分かった気がするのです。
これは、数学が好きな人…だけではなく、他者とのコミュニケーションの中で知的財産を築いてゆきたい人にもおすすめの一冊です。

数学ができるのは,才能をもった一部の人だけ?
ハッとするようなひらめきがないと,問題は解けない?

たしかに,「才能」や「ひらめき」は重要な要素ですが,そのすべての土台になっているのは「普遍的な考えかたの枠組み」です。
数学のプロである数学者は,その枠組みを縦横無尽に駆使して,問題を立て,解き,そしてあらたな問題を生み出しています。

本書は,そうした「数学者が普段使っているメソッド」を,現役の数学者がやさしく語りかけます。
読み終えるころには,初めて見る問題でも,「数学者ならこう考える」と自然に思い浮かぶようになるでしょう。

数学に興味のある高校生・大学生はもちろん,「数学者ってどんなふうに問題をとらえているのだろう?」と,知的な関心をもっている大人の方でも楽しめる内容になっています。

https://www.morikita.co.jp/books/mid/006231

著者

筑波大学教授 博(理) 竹山美宏 (著)
ページ216
判型四六
ISBN978-4-627-06231-3
発行年月2018.02
定価 ¥ 2,200

詳細は、森北出版のホームページをご覧ください。
https://www.morikita.co.jp/books/mid/006231