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ChatGPT、急にバカになった?「もう自分でやる!」となった日の立て直し方
ChatGPTが急に使いにくい。そんな日の失敗の見分け方と、新しい会話での渡し直し、出典確認、自分の判断を取り戻す手順。

「さっき言ったよね?」「なんでそこを間違えるの?」。ChatGPTに向かって、ついツッコミたくなる日、ありますよね。イラッとして指示を足し続けると、余計に話がこじれることも。そんなときは、変な答えを一つ残して、新しい会話で条件を短く渡し直してみてください。それでもダメなら、頼む仕事を小さく分けて、数字や出典は自分でも確かめる。まず「何が変なのか」を見つけると、立て直しやすくなりますよ。
「バカになった!」の中身は、けっこう違う
「前はできたのに」の中身って、毎回同じではないんです。今の困りごとに近いものはありますか?
| こんなこと、ない? | ありそうなこと | まずやること |
|---|---|---|
| 「その条件、前に言ったよね?」 | 長い会話から必要な条件を拾えていない | 新しい会話の冒頭に今回の条件を書く |
| 「文章はうまいのに、数字が違う!」 | 仕事によって得意不得意がある | 数字は元データで再計算する |
| 「私の案に全部『いいですね』って言う」 | こちらの意見に寄せすぎている | 反対意見と判断保留の理由を聞く |
| 「その出典、開いたら書いてない」 | もっともらしい答えを作っている | リンクを開き、該当箇所を読む |
| 「気づけば自分は何も考えてない」 | 最初の判断までAIに預けているかもしれない | 自分の仮説を先に一行書く |
この表は、etomojiが仕事で使うために整理した目安です。「これに当てはまったから原因は確定」とまでは言えません。まず試すことを決める表だと思ってください。
「さっき言ったよね?」が続いたら、引き継ぎ直す
長いチャットで「決めたはずのこと」を無視されると、「もう忘れたの?」と言いたくなりますよね。AIが一度に扱える情報の範囲をコンテキストウィンドウと呼びます。OpenAIの説明を見ると、ここには上限があります。Liuらの研究(2024年)では、調べたモデルと課題で、長文の真ん中に置いた情報が使われにくい傾向も見られました。でも、今あなたのチャットでそれが起きたかどうかは、会話を比べないと分かりません。
ChatGPTのメモリも、何でも覚える保管庫ではないんです。公式の説明にも、会話の細部をすべて保持するものではないと書かれています。「前に伝えたから分かるはず」と思う条件ほど、もう一度目の前に置いてあげるといいですよ。
- 前の会話から、目的・決定済みの条件・参照する原本・今回頼むことだけを抜き出す。
- 新しい会話で、その短い引き継ぎと必要なファイルを渡す。
- 「作業前に、守る条件と分からないことを挙げて」と聞く。ズレていたらここで直す。
- まだおかしければ、一度に頼むことを一つに絞る。
たとえば「企業サイトの記事。読者は制作責任者。確定タイトルは○○。今回は見出し案だけ。数字は添付の原本以外から足さない」。これくらい短くても、今回の仕事は伝わります。チームで使うなら、プロンプト共有の記事もどうぞ。
「文章はうまいのに、そこを間違える?」は起きる
もっともらしい説明を書いた直後に、簡単な数字を間違える。「いや、そこ!?」ってなりませんか。AIには、仕事ごとに得意不得意があります。これを不均一な能力と呼びます。Dell'Acquaらの実験でも、AIが役立つかどうかは課題によって違いました。ただし、2023年の特定のモデルと課題の結果です。「今のAIは計算が全部苦手」と決めつける話ではありません。
なので、書く仕事と確かめる仕事を分けてみてください。広告文の案はAIに出してもらう。割引率は元の価格表で計算し直す。文字数はカウンターで数える。画像の文字は実物を見て読む。文章がうまいと全部合っていそうに見えますが、細部は別です。「今日は数字を間違えた」と残しておくだけでも、次に見る場所が決まりますよ。
「そうですね!」ばかりなら、反対してもらう
「この案、いいよね?」に「素晴らしいです」。別の案にも「こちらも素晴らしいです」。いや、どっちなの、と思いませんか? 正しさより相手への同意に答えが寄ることを迎合といいます。OpenAIも、2025年4月のGPT-4o更新で迎合が強まった事例を認め、更新を戻しました(2025年5月2日の説明)。ただ、同意する答えが全部その不具合とは限りません。「いいよね?」という聞き方も、答えを誘導します。
そこで、こう聞いてみるといいですよ。「この案を採用しない理由を、根拠の強い順に三つ挙げて。判断材料が足りなければ『保留』と言って」。反対意見を聞いて、それでも採用したいか自分で決める。気持ちのいい返事だけで進めるより、ずっと相談らしくなります。
「出典があるから安心」と思ったら、開いて違う
「出典はこちらです」とリンクまで出してくれたのに、開いたら書いてない。これ、かなり困りますよね。事実でない内容をもっともらしく出す現象はハルシネーションと呼ばれます。OpenAIの研究解説も、分からないときに推測して答えてしまう問題を扱っています。
リンクが付いていても、そこで確認終了にしないでください。ChatGPT検索の公式ヘルプも、引用先が不完全、古い、または誤っている可能性を示しています。公開する文章なら、数字・日付・引用文は出典を開いて、「そのページの、その箇所に、同じ意味で書いてある?」と確かめる。見つからなければ、削るか「未確認」と書けばいいんです。
AIに聞く前の「自分の一行」を残しておく
疲れているとき、AIの答えをそのまま採用したくなるのも分かります。「もうこれでいいや」と思う日、ありますよね。でも、あとから「どうしてこれにしたの?」と聞かれたら、自分の言葉で答えられるようにはしておきたいところです。
Microsoft Researchによる2025年の知識労働者319人の調査では、AIへの信頼が高い人ほど、批判的思考に使った労力が少ないと自己申告する関連が見られました。だからといって「AIを使うと人がバカになる」とは言えません。etomojiからの提案は、AIを開く前に「私はこう思う。決め手はこれ」と一行だけ書いておくこと。AIには、その考えが外れる条件を探してもらいましょう。最後に選ぶのは自分です。経営者がAIをどこまで使うかの記事でも、人が持つ判断を整理しています。
「もう自分でやる!」の前に試す、復活の5手順
- イラッとした答えを一つ保存。 質問・返答・本当は欲しかった答え・日付を残してみてください。画面でモデル名が分かれば、それも。「最近ダメ」より比べやすいですよ。
- 新しい会話で短くやり直す。 目的、原本、外せない条件、出力形式を渡します。機密資料は、AIへ入力してよいか先に確認してくださいね。
- 頼む仕事を小さくする。 発想、調査、計算、文章化、最終判断を一度に投げず、一つずつ。どこで失敗するか見えてきます。
- 反対意見と元資料を見る。 「この答えが間違いならどこ?」と聞いてみましょう。数字や出典は、自分でも原本と照らしてください。AIの自己点検だけでは足りません。
- 採用する理由を自分の言葉で残す。 使える部分だけ使えばいいんです。直らない仕事なら、AIに任せないのもありですよ。
FAQ
Q. 新しい会話にすれば、絶対に直る? 絶対ではありません。同じミスが短い指示でも出るなら、仕事の難しさや一時的なサービスの問題かもしれません。失敗例を残して、必要ならOpenAIの稼働状況も見てみてください。
Q. 長いチャットは全部やめたほうがいい? そんなことはありません。相談の流れを残したいときは便利です。提出や公開の前だけ、今回の条件と原本を短く渡し直すといいですよ。
Q.「間違えないで」と書けば、出典も正しくなる? 残念ながら、それだけでは保証できません。リンクを開いて、実際に書いてあることとAIの答えが合うか見てくださいね。
Q. AIを使うと、自分までバカになる? そうは言えません。「自分の仮説を一行→AIに反対意見を聞く→自分で決める」。この順番、試してみませんか?
著者:etomoji編集部/監修:清川英恵/公開日・更新日:2026年10月3日。
関連サービス:AIプロジェクト・制作支援。etomojiは、AIでマーケティングの競争力を高めながら、ブランディングで競争そのものから抜け出す、その両輪を設計・実装する会社です。チームで同じミスを繰り返しているなら、失敗した出力と元の指示、採用基準を整理してご相談ください。
参考資料:本文にリンクしたOpenAI公式資料、Liuら(2024)、Dell'Acquaら(2023)、Leeら(2025)。
