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ETOMOJI INC.

デザイン会社の効率的なAI用情報整理

蓄積した知識を、日々の制作へ。etomoji内部で情報が増えた実感から、会社で保管する情報とAIへ渡す情報の分け方を考えます。

鮮やかな青・黄・ピンクの抽象形状に、大小と傾きに変化をつけた明朝体で記事タイトルを配したサムネイル

AIを日々の業務で使い込むほど、プロンプトや参考資料、過去のやり取りが蓄積していきます。活用する場面が広がるにつれて、「増え続ける情報を、社内で適切に管理できているだろうか」と感じることもあるのではないでしょうか。

この記事を書こうと思ったきっかけも、etomoji内部の情報量が増えたことでした。ロゴ制作のためのLOGO OSだけでも、プロンプトは38万文字規模に及びます。その蓄積を見て、「必要な情報を探し、条件を読み解く負担まで、AIにかけているのではないか」と考えるようになりました。

知識を蓄積するほど、それを仕事で使える状態に整える必要も出てくるのですよね。

そこで見直したいのが、会社として保管する情報と、今回の仕事でAIに渡す情報の分け方です。この記事では、デザインの判断理由をどう残すか、必要な資料をどう選ぶか、整理によって制作が進めやすくなったかをどう確かめるかまで、具体的に紹介します。

「前にも説明したのに」を、情報の渡し方から考える

ブランド資料、過去の提案書、打ち合わせの記録。資料を追加するたびに、古い条件や見送った案まで混ざっていませんか。

例えば採用サイトのデザインを考える場面で、去年の会社案内と今年の採用方針を区別せず渡したら、人間でもどちらを優先すべきか迷います。今回の判断に使う情報を明らかにしておきたいところです。

長い入力を扱うAIについて調べた研究「Lost in the Middle」では、検証対象のモデルにおいて、必要な情報が入力のどこにあるかによって成績が変わりました。当時の質問応答などを対象とした研究であり、現在のすべてのAIやデザイン制作に、そのまま当てはめられる結果ではありません。Liuほか「Lost in the Middle」

etomojiでは、必要な条件を使って期待する仕事ができるか、という観点から情報の渡し方を考えます。

完成画像に、「選んだ理由」を添えて残す

白い背景に青い文字を置いた広告でも、青を選んだ理由は画像だけでは分かりません。ブランドカラーなのか、商品を目立たせるためなのか。理由によって、次の広告で引き継ぐべきことが変わります。

以下は一般的な記録例です。etomojiの内部様式ではありません。

残す情報記録の例
完成したもの採用画像と編集可能な元データ
選んだ理由商品の色を目立たせるため、背景の色数を抑えた
使える条件今回のWeb広告用。別用途では再確認する
見送った理由装飾が商品より目立ち、訴求が弱くなった
確認できる資料承認済みの依頼内容、ブランド資料、素材の利用条件

何を伝えるために、どこを変えたのか。そこまで言葉にすると、考え方も残せます。色の微妙な差や質感、文字の見え方は実物で確かめたい情報ですから、画像と説明を組み合わせて保管します。

保存する資料と、今回AIに渡す資料を分ける

会社として保管する情報には、過去の経緯も必要です。採用案だけを残していると、同じ失敗を繰り返すかもしれません。

仕事を依頼するときは、その中から今回必要な情報を選びます。広告の見出しを考えるなら、商品の特徴、届けたい相手、今回の訴求、表現上の制約が判断の材料になります。

資料を要約する場合も、元資料への参照は残してください。素材の利用条件、顧客が承認した表現、数値の根拠は、短くする過程で条件や例外が抜けると判断を誤るおそれがあります。原文へ戻れることが、情報整理の土台になります。

一つの仕事で、整理の効果を確かめる

まずは繰り返し発生している制作を一つ選び、次の手順で試してみてください。読者が自社で取り組むための一般的な提案です。

  1. 同じ説明を繰り返している仕事を選ぶ。毎月の広告制作など、説明し直す場面が分かる仕事から始めます。
  2. 今回の正しい情報を決める。使用する資料、最新版、承認済みの条件を確認します。食い違いは、人が判断してから渡します。
  3. 依頼内容と参考情報を区別する。必ず守る条件と参考として見てほしいものを明記します。参考画像の特徴をすべて採用する、という誤解も防ぎます。
  4. 整理前後で同じ仕事を依頼する。使うAIや依頼条件をできるだけそろえ、条件の抜け、説明し直した箇所、確認時間を比べます。複数回試し、一度の出力だけで効果を決めないようにします。
  5. 修正した理由を次回へ残す。削りすぎた条件を戻し、競合する指示の優先順位を明らかにします。

担当者とAIが、必要な情報を使って仕事を進められる状態を目指します。引き継ぎについては、プロンプトを共有してもチームで再現できない理由もご覧ください。

38万文字の蓄積を、目の前の制作へつなげる

etomojiのLOGO OSは、ロゴ制作に関する独自の指示体系です。プロンプトとは、AIへ仕事の内容や条件を伝える指示文のこと。38万文字規模という蓄積も、目の前の仕事でどう使うかまで考える必要があります。

何をAIに任せ、どこでデザイナーが判断するか。出てきた表現が読めるか、伝わるか、その会社らしいか。情報整理と実際のクリエイティブの確認を行き来できることが、デザイン会社としてAIを扱う強みだと考えています。

LOGO OSの全文や内部の判断方法は非公開ですが、こうした知識の蓄積と制作の視点を、etomojiのAI活用支援につなげていきます。文字数だけで制作の質が決まるという意味ではありません。

社内の資料を、制作で使える情報に整えませんか?

「過去の資料はあるのに、毎回説明し直している」「AIを使える人に仕事が集中している」。そんな状態なら、日々の制作でどこに手間がかかっているか、一緒に整理してみませんか。

etomojiでは、クリエイティブ制作とAI活用を合わせて、業務の進め方をご相談いただけます。資料の整理から、実際の制作で情報が足りるか、担当者が確認できるかまで見ながら、使い方を考えます。

お問い合わせには、「AI用の情報整理を相談したい」と添えて、対象の制作業務、現在使っているAI、繰り返し説明している内容を分かる範囲でお知らせください。ご相談内容をもとに、情報整理と制作支援のどこから始めるかをご案内します。

AI用の情報整理・制作業務についてetomojiに相談する

etomojiは、AIでマーケティングの競争力を高めながら、ブランディングで競争そのものから抜け出す、その両輪を設計・実装する会社です。AIを活用した取り組みもご覧ください。

よくある質問

Q. 長いプロンプトは使わない方がよいですか?

長さだけで判断する必要はありません。必要な条件が含まれ、矛盾がなく、期待する結果につながっているかを確認します。

Q. 参考画像は文章に変えた方がよいですか?

画像を残したうえで、どこを参考にするかを文章で添えると使いやすくなります。画像そのものが必要な判断もあります。

Q. 情報を整理すれば、同じデザインを再現できますか?

同じ結果は保証できません。正確な再利用が必要な制作物は、編集可能な元データや使用素材も保管してください。

参考資料

Liuほか「Lost in the Middle: How Language Models Use Long Contexts」(2023年公開、2024年誌上掲載)。2026年10月4日確認。

LOGO OSの文字数と記事の着想は清川英恵による説明に基づきます。文字数は概数です。

著者・監修:清川英恵

公開日:2026年10月4日。更新日:2026年10月4日。