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AIで作った画像、 「商用利用OK」なら 広告に 使っていい?
「有料プランだから大丈夫」で公開していませんか。素材の出所から完成画像の見え方まで、広告・Web制作で確認したいポイントと手順を整理します。

「商用利用OK」と書いてあっても、その画像を確認せず広告に出してよいとは限りません。サービスの利用条件に加え、入力した素材の権利や、生成物に他者の表現が含まれていないか、掲載先で誤解を招かないかを確認する必要があります。制作担当者が素材と生成過程を整理し、公開責任者が用途まで見て判断できる状態にしておきましょう。
「商用利用OK」は、画像ごとの安全証明ではありません
「有料プランだし、仕事に使っていいはず」。そう思うのは自然です。ただ、サービスを使う許可と、出来上がった画像に問題がないかは、確認する内容が違います。
例えばAdobeは、Fireflyのベータ表示がない機能の生成物を商用プロジェクトで利用できると説明しています。これは、その機能の利用条件についての説明です。Adobe Firefly FAQ[1]
同社の生成AI利用規約では、入力素材に必要な権利を持つことや、出力の作成・利用に責任を持つことも定められています。「商用利用できる」と「どんな素材から作っても、どこに出しても大丈夫」は同じ意味ではないのです。Adobe生成AI利用規約・第2条/第3.1条[2]
仕事で使うときは、サービス名だけでなく、利用した機能・モデル・契約プランも確認しておくと話が早くなります。
「似ている気がする」とき、何を調べればいい?
日本の著作権について、文化庁はAI生成物にも「類似性」と「依拠性」の考え方が当てはまると整理しています。類似性は既存作品の創作的な表現上の特徴を感じ取れること、依拠性は既存作品に基づいて作られたことを指します。雰囲気が似ているだけで、直ちに侵害が決まるわけではありません。文化庁「AIと著作権に関する考え方について」32〜34頁[3]
制作中にできるのは、気になる箇所を具体的にすること。「この絵、どこかで見た」なら、キャラクターの輪郭、服装、背景の配置など、何が気になったかを残します。画像検索は確認の手掛かりになりますが、見つからなかったことだけで安全とは判断できません。
人物やロゴが含まれる場合は、著作権以外の確認も必要です。Adobeのガイドラインも、商標、プライバシー、パブリシティーなど他者の権利を侵害する利用を禁じています。パブリシティーは、有名人の氏名や肖像などが持つ顧客を引きつける価値に関わる権利です。Adobe生成AIユーザーガイドライン・第2項[4]
具体的な画像の適法性に迷ったら、素材と使い方をまとめ、法務担当者や弁護士に確認する範囲です。
現場で迷いやすいのは、こんな場面です
以下は判断の違いを説明する架空の例です。etomojiの顧客事例ではありません。
| 場面 | そのまま進める前に確認すること |
|---|---|
| 素材サイトで買った写真をAIで加工する | 購入したライセンスでAIへの入力・加工・今回の広告利用が認められるか。購入済みだけで判断しない |
| 顧客から受け取った人物写真の背景を変える | 顧客が認めた用途にAI加工が含まれるか。撮影者・写っている人との条件も確認する |
| 生成した人物が有名人によく似ている | 類似した特徴と、広告で本人の出演・推薦に見える可能性を整理して確認する |
| 商品写真を整えたら、素材感まで変わった | 実物や仕様と比べ、購入者が商品の特徴を取り違えない表現に戻す |
最後の例は、権利だけでは片付きません。etomojiとしては、購入者が実物を想像できるかも公開判断に含めたいと考えます。画像が魅力的でも、届く商品と印象が違えば、ブランドへの信頼を損ねかねないからです。
公開前は、この順番で確認してみてください
以下は、公開資料を踏まえたetomojiの実務提案です。すべてにチェックすれば適法性を保証できる、というものではありません。
- 掲載する場所と目的を決める 社内の検討資料、広告、商品ページでは用途が違います。掲載媒体、対象地域、誰の商品を宣伝する画像かを、最初に書いておきます。
- 使った素材とサービスをそろえる 元画像の出所、ライセンスや許諾、利用した機能・モデル・プランを確認します。入力した時点の利用条件も残せると、後で説明しやすくなります。未公開情報を含む場合は、顧客との守秘条件や社内ルールにも照らしましょう。
- 完成画像を、文字と組み合わせて見る 画像単体だけでなく、見出しや商品説明まで含めて確認します。単なる人物イメージでも、「愛用しています」というコピーを添えれば、実在の利用者の声のように見えることがあります。
- 気になる点は、公開する前に解消する 素材の許可を取り直す、表現を変える、別の素材で作る、専門家に相談する。確認できない部分を残したまま入稿せず、公開責任者が判断できる状態にします。
- 最終版と判断の理由を一緒に残す 採用した画像、掲載先、確認日、判断した人、使ってよいと考えた理由を同じ場所で見返せるようにします。画像や用途を変えたときは、変更部分を再確認します。
文化庁のガイダンスでも、利用前の確認や、生成過程を後から確認できる状態にすることが示されています。文化庁「チェックリスト&ガイダンス」18〜21頁[5]
たとえば「確認済み」とだけ書くより、「背景用。人物・商品は含めない。元素材の利用条件を確認し、広報責任者が掲載先を確認」と残す方が、次の担当者も判断を引き継げます。入力情報や採否の理由の共有は、プロンプトをチームで再現するための記事でも扱っています。
よくある質問
Q. 有料プランなら、権利の問題も解決していますか?
料金を払っていることだけでは判断できません。対象の機能やプランの条件、入力素材、完成画像の用途まで確認してください。[2]
Q. 「AI生成」と書けば、そのまま使えますか?
AIで作ったという表示だけで、他者の権利や素材の利用条件の問題が解消するわけではありません。表示と利用の可否は別に確認します。[4]
Q. 制作会社に任せた場合は、何を受け取ればいい?
etomojiからの提案は、完成データに加えて、使った素材の出所と利用条件、AIを使った範囲、想定する掲載先を共有してもらうことです。公開の判断をする人も、依頼時に決めておくと進めやすくなります。
画像を作るところから、公開の判断まで整える
「AI画像は作れる。でも、誰が何を確認すれば広告に出せるのか決まっていない」。そんな状態で、担当者だけが悩んでいませんか。画像を作り直す前に、制作から公開までの進め方を一緒に整理してみませんか。
etomojiでは、広告やWebのクリエイティブ制作と、AIを使う業務の設計を支援します。どの工程にAIを使うか、素材を誰が確認するか、ブランドらしさを誰が判断するか。貴社の制作体制に合わせて整理し、次の制作でも担当者が迷わず確認を進められる状態を目指します。法的な判断が必要な点は、法務担当者や弁護士に確認できるよう、制作上の論点を整理します。
お問い合わせには、「AI画像の制作・公開前チェックを相談したい」と添えて、作りたいもの、使っているAI、いま困っている工程を分かる範囲でお知らせください。「担当者が決まっていない」「これから導入したい」という段階でも構いません。いただいた内容をもとに、制作支援と運用整理のどこから始めるかをご相談します。
etomojiは、AIでマーケティングの競争力を高めながら、ブランディングで競争そのものから抜け出す、その両輪を設計・実装する会社です。クリエイティブとAI活用の支援についてもご覧ください。
著者:清川英恵
監修:清川英恵
公開日:2026年10月4日
更新日:2026年10月4日
本稿は日本での広告・Web制作を想定した実務上の整理です。個別案件の法的判断を示すものではありません。
参考資料
すべて2026年10月4日確認。本文中の資料名は以下の原資料にリンクします。
- Adobe Firefly FAQ:「Using Firefly」
- Adobe Generative AI Product Specific Terms:2026年4月23日施行、第2条、第3.1条
- 文化庁「AIと著作権に関する考え方について」:2024年3月15日、32〜34頁。法的拘束力を持つ判断ではなく、文化審議会の考え方の整理
- Adobe Generative AI User Guidelines:2026年5月15日更新、第2項
- 文化庁「AIと著作権に関するチェックリスト&ガイダンス」:2024年7月31日、18〜21頁
